upupside’s diary

映画やアニメ、マンガなど自分の面白いと思ったこと、好きなことを中心に。

ぼくらのパシフィック・リム

こういうのが作りたかったんだ!
こういうのが見たかったんだ!

冒頭の出撃シーン、怪獣の出現シーン、香港大決戦。
イェーガーと怪獣のバトルシーンはどのシーンもほんとに見応えがあって楽しめた。

実は、この映画劇場でも2回見てるし、ブルーレイが出てからも何回も見てる。
何なら、ビジュアルブックも持ってるし、フィギュアも持ってる。それぐらい好きな作品なのですよ!

好き過ぎて冷静に見ることが未だにできません…

そして、まだ見て無い人には、ぜひ吹替で見て欲しい。


何てメンバーだ!
凄すぎる!
よくこれだけ集めた!
偉いぞ!日本語版スタッフ!!

洋画は吹替で観なきゃダメだと思ってる人もいるけれど、本当に実力がある人達が集まると、俳優の演技を補強し、増幅し、映画の次元を一つ上げる。
この映画はそういう映画だ。

うん、2015年最初の鑑賞作品として最高の選択だった。

今年もいい映画に出会える1年であればいいな、と切に思う。

追いかけて、見つけて…〜エクスペンダブルズ2〜

何も考えなくてもいい映画というのがあって、エクスペンダブルズはその第一作目からまさにそういう映画なのです。

ストーリー説明不要!
登場人物の説明不要!
主人公が悪い奴を倒す!
悪い奴は悪い!

それだけです。

その背景において「何故?」という要素を全く描かないことで、この映画は純然たるドンパチ・アクション・ムービーとして成り立っています。

冒頭からシュワちゃんが出てくる理由もわかりませんし、中盤チャック・ノリスが出てくる理由もよくわかりません。
そもそも、ありがちな何故戦うのか?みたいな葛藤もありません。
そういうグダグダしたものはこの映画に必要無いのです。

スタローンの「おれが見てみたい」という気持ちだけが、この映画の中心にあって、それが全てなのです。
素晴らしいです。
潔いです。

年末年始休暇に何にも考えず、楽しみたい方にぜひオススメしたい映画です。

何かを選んで、何者かになる。〜アイアン・ジャイアント〜

今更だけど、アイアン・ジャイアントです。

そう、あの無骨な鉄のかたまりアイアン・ジャイアント

やっぱり泣いちゃうアイアン・ジャイアントです。

 

たまらんですな。こういう物語。

普段のんべんだらりと生きていると、今の自分が自分の

選択によって出来ていることを忘れてしまうけど、

今の自分はどうしようもなく、自分の選択から出来ているわけで、

「いまのすべては 過去のすべて」(かぐや姫の物語より)なのです。

 

それを思い出させてくれるのが、この「アイアン・ジャイアント

 

宇宙からやってきた謎のロボットが、少年との交流を通して、

様々なことを知り、学んで行く。

生き物が死ぬということ、死ぬと悲しいということ、

だから、守りたいという気持ち。

自分に何が出来て、何をしたいのか、どんなものになりたいのか。

とてもテンポよく、スムーズに、人によっては物足りないと

思うくらい王道なストーリーが展開されていく中で、ジャイアントは

学んでいきます。

そして、ジャイアントは、ついに自分が何者になりたいかを選び取ります。

ただ、その選択は自分の大事なものと引き換えでした。

 

わたし、こういう話にめっぽう弱いのです。

めちゃくちゃ感動します。

何かを選ぶために何かを諦める。

でも、自分が進むためにはそうするしかない。

そういう物語に私の涙腺は決壊します。

 

たぶん、最初に泣いたアニメは「ドラえもん のび太の鉄人兵団」ですが、

あの映画でのリルルの最後の選択で、今でも号泣します。

 

単なる自己犠牲ではなく、自分が自分であるために、

選択するということに意志のある者としての、尊さとせつなさを

感じるのです。

 

何かを始めたいけど、始められない。

何かを変えなきゃいけないけど、変えられない。

でも、自分は自分として生きていきたい。

 

そんな風に感じさせてくれる作品です。

 

 

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WC?〜私は何色なのか?〜 PSYCO-PASS2最終回

自分は何色なんだろう?

この「PSYCO-PASS」ってアニメを観ているといつも考える。

 

誰かに自分の色を決めてもらえるなんて、すごく楽だろうな。とも。

 

シビュラシステムの下の社会では、自分について問う必要も無く

全てがシステムによって判断される。自分がどんな人間かも、自分の将来すらも。

誰かにですらなく、システムによって。

自分には及びつかないもの、という意味では神様と同義だ。

現実では神様に自分を判断してもらうことなんて、できない。

(一部には判断された人もいるかもしれないけど・・・)

 

自分とは何者なのだろう?

 

人間として、ごく当たり前で、自分を生きようとする人間なら当然の問い。

この問いに答えようとし、自分で答えを見つけようとしたという意味で、

「PSYCO-PASS2」において、一番私たちに近い登場人物は鹿矛囲だった。

だから、私は一番鹿矛囲に共感した。

 

このアニメ、実は主人公であるはずの朱ちゃんたちの役目は

狂言回しにしかすぎない。基本的に起きる事件に対して

何も出来ない。ただ、鹿矛囲の起こした事件を分析し、追跡するだけ。

誰かと戦っているわけではない。

逮捕するために、戦略を立てて行動するということも凄く少ない。

何かと戦い、ストーリーを進めるのは、あくまで鹿矛囲。

朱ちゃんは何も変わらない。2期で公安のメンバーはほんとに

何も変わらない。

 

自分について考え、答えを探し、戦ったという意味で

このアニメの主人公は間違いなく鹿矛囲だった。

 

あと、忘れてはいけないのはシビュラ。

実はシビュラシステムも進化のために、自分を問い続け、

答えを探そうとしている。貪欲なシステムだ、ほんとに。

 

全能のパラドクス、という話が出てくるけど、シビュラ自体は

自分が全能でないことをよく知っている。だから、自分に無い

ものを求めて、自分に取り込むもうとする。

人間を支配するシステムというと、不変のものとして描かれがちだけど

このアニメにおいては、シビュラが一番人間的で、変化しようとしている。

他の人間たちがシステムに支配されることによって、

変化する必要がなくなったことと対比するとすごく面白い。

変化を常に求めるシステムと変化を求めなくなった人間。

そして、その社会を問い続けた人間。

 

私のとって「PSYCO-PASS2」は、そんなものたちのドラマだった。

 

1月はいよいよ劇場版が公開。

公安のメンバーの大活躍を期待している。

 

 

PSYCHO-PASS サイコパス 2 VOL.5 [Blu-ray]

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木曜の夜、四月は君の嘘。

 

やっぱりそれは「絵」が「動く」ことにあるのであって、

キャラクターデザインがかわいいとか、ストーリー展開が

どうとかではないような気がするのです。

 

今期観ているアニメで一番気持ちいいのが「四月は君の嘘」

 

演奏シーンの指の動き、体の使い方。

よく演奏を観ている人が描いたのか、すごくタイミングがいい。

曲とキャラクターの動きが一致していて、それってつまり、

まさに登場人物が演奏しているってことに他ならない。

止め絵で演奏だけを流す、という表現では、登場人物が演奏していることを

伝えられない。

想像はできるけど、画面からそれが伝わってくることはない。

曲を聴きながら絵を観るのなら、それはマンガでも出来ること。

アニメでやる必要は無い。

だいたい、マンガは自分で時間を操作して楽しめる娯楽だから、

アニメのような時間の操作性のない娯楽とは基本的に全然違う。

 

「絵」が「動く」アニメだからこそできる表現として、この

アニメの演奏シーンは飛び抜けて気持ちがいい。

 

第2話のヒロインの演奏シーンには本当に驚いた。

本当にキャラクターが演奏していて、ストーリーだとか

演出上の音楽からではなくて、感動した。

その感動はひとりの表現者としてのキャラクターが、

生み出したものだ。

誰かに描かれた「絵」ではなくて、あの世界に生きる一人の

女の子が表現したものだ。あのシーンを観て(もし小さい子が

観ていたら)「わたしもヴァイオリニストになる!」という子が

いても不思議ではないと思う。

まさに、命をふきこまれたもの、としてのアニメーションだから

できた表現があのシーンにはある。

 

あれがアニメの気持ちよさなのです。

 

 

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すれ違いトランスレーション

ロスト・イン・トランスレーション

初めて見たのは、高校生か大学生の時だったかな。

そのときは、おじさんが知らない国に来て、

お互い知らない国に来た同士の女の子とイチャイチャする、って

話だと思っていた。

 

最近、観る機会があって久しぶりに観た。

全然違った。感じることも、考えることも、一つ一つのシーンから

見えることも。

一番、「ああ、この場面すごいな」と思ったのは主人公が

奥さんに電話をかけるシーン。

何でも無い会話。むしろ何でも無い会話をしたかったから

電話したんだろうけど、電話を切ったあとに主人公がこうつぶやく。

「電話するんじゃなかった」

ここに、猛烈に共感した。

 

寂しさを紛らわそうとして、余計に寂しくなることって

よくある。

特に、一人の夜に誰かと話したくて、電話したり、ラインしたり

何となくコミュニケーションを取ったあと。

一人でビール飲んで、映画観て、さて寝るか、って思う瞬間。

自分を満たそうとして、結局、空しさだけが残るとき。

 

後悔というほどのことでもない。

ただ、「ああ、空しいなぁ」って思うだけ。

満たされている、って思っていたら実はそんなこともない。

 

「電話するんじゃなかった」

この一言に自分の気持ちに気づけなかった男のすれ違い。

空しさを感じてしまう。

 

知らない国でえんえんと繰り返す、すれ違い。

主人公もヒロインも自分の居場所と思っていたところに

違和感ばかり感じてしまって、空しさばかりが募って行く。

 

そんな違和感にひどく共感した。

 

だからかな、ラストシーンで、あの雑踏の中で、

確かなものは何もない状況の中なのに、あの二人がやたらと

安心してるように感じる。

正直、あのシーンは「うらやましい」。

居場所を見つけた二人。ロスト・イン・トランスレーション

中で出会い、触れ合った二人。

そんな二人がとてもうらやましく思えた。

 

何年か振りにみた「ロスト・イン・トランスレーション

僕にとってそんな映画になっていた。

 

 

ちなみに、藤井隆が出ていたのも、なんかすごく

なつかしかった(笑)

 

 

 

 

明るい明るいライムライト


うぅ、からだからバキバキ音がする。
こころからメキメキ音がする。

こういう時こそ映画観たいなー。
未来は明るいって、希望はどんな時でもあるって感じる映画。

最近、観た映画だと「太秦ライムライト」が一番そういう気持ちになったな。

一人の斬られ役のお話。
どんな時でも、誰かが見ていてくれる。そんなお話。
人生のすべてをかけて、何かを手に入れた男の話。
決して幸せな話では無いけど、観た後「よかった!間違いなんて何も無い」って、本当に思えて、泣いた。

こう思わせる最大の要因は、あの田園での風景にある。
主人公が失ってしまったものと、自分の人生で手に入れたものを表現した見事なシーンだった。
子どもたちの笑い声、夕日の明るさ、刻みこまれた皺の影。あの1シーンに主人公の生きた時間が凝縮されている。だから、あんなに美しい。
あのシーンだけで、主人公が何を失って、何を手に入れたかわかる。

うん、近いうちにまた観よう。