WC?〜私は何色なのか?〜 PSYCO-PASS2最終回
自分は何色なんだろう?
この「PSYCO-PASS」ってアニメを観ているといつも考える。
誰かに自分の色を決めてもらえるなんて、すごく楽だろうな。とも。
シビュラシステムの下の社会では、自分について問う必要も無く
全てがシステムによって判断される。自分がどんな人間かも、自分の将来すらも。
誰かにですらなく、システムによって。
自分には及びつかないもの、という意味では神様と同義だ。
現実では神様に自分を判断してもらうことなんて、できない。
(一部には判断された人もいるかもしれないけど・・・)
自分とは何者なのだろう?
人間として、ごく当たり前で、自分を生きようとする人間なら当然の問い。
この問いに答えようとし、自分で答えを見つけようとしたという意味で、
「PSYCO-PASS2」において、一番私たちに近い登場人物は鹿矛囲だった。
だから、私は一番鹿矛囲に共感した。
このアニメ、実は主人公であるはずの朱ちゃんたちの役目は
狂言回しにしかすぎない。基本的に起きる事件に対して
何も出来ない。ただ、鹿矛囲の起こした事件を分析し、追跡するだけ。
誰かと戦っているわけではない。
逮捕するために、戦略を立てて行動するということも凄く少ない。
何かと戦い、ストーリーを進めるのは、あくまで鹿矛囲。
朱ちゃんは何も変わらない。2期で公安のメンバーはほんとに
何も変わらない。
自分について考え、答えを探し、戦ったという意味で
このアニメの主人公は間違いなく鹿矛囲だった。
あと、忘れてはいけないのはシビュラ。
実はシビュラシステムも進化のために、自分を問い続け、
答えを探そうとしている。貪欲なシステムだ、ほんとに。
全能のパラドクス、という話が出てくるけど、シビュラ自体は
自分が全能でないことをよく知っている。だから、自分に無い
ものを求めて、自分に取り込むもうとする。
人間を支配するシステムというと、不変のものとして描かれがちだけど
このアニメにおいては、シビュラが一番人間的で、変化しようとしている。
他の人間たちがシステムに支配されることによって、
変化する必要がなくなったことと対比するとすごく面白い。
変化を常に求めるシステムと変化を求めなくなった人間。
そして、その社会を問い続けた人間。
私のとって「PSYCO-PASS2」は、そんなものたちのドラマだった。
1月はいよいよ劇場版が公開。
公安のメンバーの大活躍を期待している。