木曜の夜、四月は君の嘘。
やっぱりそれは「絵」が「動く」ことにあるのであって、
キャラクターデザインがかわいいとか、ストーリー展開が
どうとかではないような気がするのです。
今期観ているアニメで一番気持ちいいのが「四月は君の嘘」
演奏シーンの指の動き、体の使い方。
よく演奏を観ている人が描いたのか、すごくタイミングがいい。
曲とキャラクターの動きが一致していて、それってつまり、
まさに登場人物が演奏しているってことに他ならない。
止め絵で演奏だけを流す、という表現では、登場人物が演奏していることを
伝えられない。
想像はできるけど、画面からそれが伝わってくることはない。
曲を聴きながら絵を観るのなら、それはマンガでも出来ること。
アニメでやる必要は無い。
だいたい、マンガは自分で時間を操作して楽しめる娯楽だから、
アニメのような時間の操作性のない娯楽とは基本的に全然違う。
「絵」が「動く」アニメだからこそできる表現として、この
アニメの演奏シーンは飛び抜けて気持ちがいい。
第2話のヒロインの演奏シーンには本当に驚いた。
本当にキャラクターが演奏していて、ストーリーだとか
演出上の音楽からではなくて、感動した。
その感動はひとりの表現者としてのキャラクターが、
生み出したものだ。
誰かに描かれた「絵」ではなくて、あの世界に生きる一人の
女の子が表現したものだ。あのシーンを観て(もし小さい子が
観ていたら)「わたしもヴァイオリニストになる!」という子が
いても不思議ではないと思う。
まさに、命をふきこまれたもの、としてのアニメーションだから
できた表現があのシーンにはある。
あれがアニメの気持ちよさなのです。
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