upupside’s diary

映画やアニメ、マンガなど自分の面白いと思ったこと、好きなことを中心に。

すれ違いトランスレーション

ロスト・イン・トランスレーション

初めて見たのは、高校生か大学生の時だったかな。

そのときは、おじさんが知らない国に来て、

お互い知らない国に来た同士の女の子とイチャイチャする、って

話だと思っていた。

 

最近、観る機会があって久しぶりに観た。

全然違った。感じることも、考えることも、一つ一つのシーンから

見えることも。

一番、「ああ、この場面すごいな」と思ったのは主人公が

奥さんに電話をかけるシーン。

何でも無い会話。むしろ何でも無い会話をしたかったから

電話したんだろうけど、電話を切ったあとに主人公がこうつぶやく。

「電話するんじゃなかった」

ここに、猛烈に共感した。

 

寂しさを紛らわそうとして、余計に寂しくなることって

よくある。

特に、一人の夜に誰かと話したくて、電話したり、ラインしたり

何となくコミュニケーションを取ったあと。

一人でビール飲んで、映画観て、さて寝るか、って思う瞬間。

自分を満たそうとして、結局、空しさだけが残るとき。

 

後悔というほどのことでもない。

ただ、「ああ、空しいなぁ」って思うだけ。

満たされている、って思っていたら実はそんなこともない。

 

「電話するんじゃなかった」

この一言に自分の気持ちに気づけなかった男のすれ違い。

空しさを感じてしまう。

 

知らない国でえんえんと繰り返す、すれ違い。

主人公もヒロインも自分の居場所と思っていたところに

違和感ばかり感じてしまって、空しさばかりが募って行く。

 

そんな違和感にひどく共感した。

 

だからかな、ラストシーンで、あの雑踏の中で、

確かなものは何もない状況の中なのに、あの二人がやたらと

安心してるように感じる。

正直、あのシーンは「うらやましい」。

居場所を見つけた二人。ロスト・イン・トランスレーション

中で出会い、触れ合った二人。

そんな二人がとてもうらやましく思えた。

 

何年か振りにみた「ロスト・イン・トランスレーション

僕にとってそんな映画になっていた。

 

 

ちなみに、藤井隆が出ていたのも、なんかすごく

なつかしかった(笑)